自己流で面接に臨むのは逆効果
ベテランだからこその悩み
ナースとしてさまざまな経験を積んできたからこそ、逆にプレッシャーに感じてしまうこともあります。採用担当は50代ナースに対して、元々知識や技術がそれなりに備わっていることを理解した上でいろいろな質問をしてきます。そのため、どのような質問でも相手が納得できるように的確に答えなければならない、と焦ったり、戸惑ったりしてマイナスの評価を受けてしまうケースも少なくありません。
また、ナースとして長いキャリアを積んでいることもあり、自分なりのやり方が身についていることでしょう。自分の持つ信念に従って働いてきたこともあり、自分なりのやり方に固執している可能性もありますが、それが必ず受け入れられるとは限りません。自分の信念を伝えるのは大切なことですが、強く押しつけてしまうとかえって悪い印象を与えてしまうので気をつけましょう。
残念な結果になってしまわないように、面接での注意点をあらかじめ知っておきましょう。例としてよく聞かれる質問とその答え方を紹介しますので参考にしてください。
「辞めた理由は?」
面接で必ず聞かれ、かつ答えにくいのが「なぜ辞めたのか」という質問です。採用担当者は退職理由の正当性を確認するとともに、同じ理由で辞めてしまうのではないかも確認しています。曖昧な答えでは納得しません。
相手が納得する答えは「ストレートな理由」です。例えば、「今までの職場は体力が持たず負担が大きい」や「親の介護が必要になったため働き方を変えなければならない」など、家族のことを考えて転職するに至ったことを話すと納得されやすいでしょう。自分が発端となったわけではないため、正当性が認められやすくなるのです。
しかし、実際に転職する人の多くはネガティブな理由が原因で転職を決めています。ネガティブな理由をそのまま伝えると、「また同じ理由で辞めてしまうのではないか」と思われてしまうため印象は良くありませんし、採用担当者も元々はネガティブな理由があるから辞めたのだろう、と分かっています。それでも、職場の戦力となる人を見極めなければならないため、正当性のある理由の方が納得できるのです。ネガティブな理由が原因でもそのまま伝えるのではなく、ポジティブな理由に変換して伝えるようにしましょう。
本音をベースにしながらも、ポジティブな面を訴えるのです。単に不平不満を訴えるのではなく、「今のままでは叶えられないため一歩進むために転職を決意した」とした方が採用の確率が高まります。
「これまでのナース人生の中で一番大きなミスは?」
ナースは患者の命を預かる責任の重い仕事です。十分に注意していてもインシデントが起きることはあるため、転職の面接でも必ず聞かれる定番の質問です。50代はナース人生も長いため、何かしらのミスをしたことがあるはずです。ミスをしたことを咎められるようで居心地が悪く感じるかもしれませんが、採用担当者が聞きたいのはミスの内容そのものよりも、「どのように対処し、その失敗をどう活かしたのか」ということです。
この場合は、「ミスから得た教訓」と「ミスを防ぐために取り組んだこと」をアピールしましょう。「ミスをミスのまま終わらせないこと」が重要なのです。そのように取り組んでいる姿勢を面接で示しましょう。